シャロネール王国

国家

大きな責任に対する大きな覚悟、そしてそれを実現する大きな特権
すなわち貴族のいない国は、正しい繁栄を享受できないのですわ

――ツァイヴァ3世(シャロネール王国女王)

シャロネール王国

Cailнnerlle Muceh

国の標語:美しく咲き、華やかに舞う
国歌:クロンゾン・セ・フォーア
(女王の讃歌)
公用語シャロン語
ファーレン語
首 都クロアール
最大の都市クロアール
政 府クロアール宮廷
国務卿会議
国家元首の称号女王
政治体制君主制
人 口約104億3000万人
主な宗教クラエン教
通 貨ヴァン
(Vaine)
建国年521年
加盟年1623年
領 有
フィラール星系惑星ルジャニオン
スロアール星系惑星ヴロン・クロアール
惑星ユリオンディエ
ハテューヌ星系惑星ヴタンディエ
領有星系数12

 シャロネール王国(シャロン語:Cailнnerlle Muceh)はタシュトヘム宙域の君主制国家。惑星レーウスにルーツを持つシャロン人類の星間国家であり、主要構成民族はデルザン人とファーレン人。
 美容や宝飾品などに強みを持つ「美学の国」として知られており、そこそこの軍事力も保有している宙域大国国家として位置づけられている。

概要

 シャロネールは「美と伝統の国」を自称する。その名の通り、貴族や軍人のほとんどは非常に高いレベルの美意識を持ち、その美学を共有している。ファッションや食文化、観光に注力しており、高い文化力と経済力を誇る。外交力も比較的高く、ソフトパワーの国であるともいえる。

 シャロネールを代表する人物としてツァイヴァ3世がいる。

歴史

前史

 シャロネールは惑星ルジャニオンの中世後期に成立した。成立直後は吹けば飛ぶような辺境の弱小国で、領地は辺鄙な寒村ばかり。土地は貧しく、冬には領民は飢えとの戦いを余儀なくされていた。
 ある年、全球規模の暖冬が惑星ルジャニオンを覆った。温暖な気候の土地を支配していた大国たちは干魃と蝗害に苦しめられていたが、シャロネールは逆にこの「冬のない年」に大きく力をつけた。翌年の春からは南西部の大平原から遊牧騎馬民族が押し寄せてきたが、シャロネールはこれを撃退し自国に取り込み、軍事力を大きく増強することに成功。「冬のない年」で大打撃を受けた周辺の大国に積極的に戦争を仕掛けを次々と打ち負かし、シャロネールは大陸西部を支配する有力国となった。
 シャロネール王国は蒸気時代中頃に隣の大陸を武力で征服したことで、他の国々も女王に従順の意を示すようになり、シャロネールは惑星ルジャニオンを統一する国家となった。地方分権化を推進して、中央政府は分離独立勢力を監視し、時には懲罰した。長い平和の時代は繁栄をもたらし、加速度的にテクノロジーが進歩した。

 驚くべきことに200年も経たずしてシャロネールは宇宙進出を達成した。しかし、強引な宇宙開発のしわ寄せは末端朝貢国が一手に引き受けることとなり、徐々に反乱の兆しが顕著になってきた。長い間、大規模な反乱を経験したことのなかったシャロネール王国はこれを軽視してしまったがために、1441年、ドロストス革命が発生。すぐさま鎮圧のために王国軍が本国から派遣されたが、技術的制約によって到着が遅れてしまい、最終的には惑星奪還に失敗した。入植惑星のトラドヴァ(当時のテュラーヴ)はドロストス共和国の領土となった。
 当時の女王は断固としてドロストスの独立を許さない強硬派を支持していた。だが、和平派の勢いは強く、強硬派は比較的少数で議会では不利な状況にあった。こともあろうか女王は和平派の議員を投獄し始めたため、和平派を支持していた地方領主や投獄を免れた議員たちはドロストスに亡命した。これにより女王は政治的立場を失い失意のままに退位。ドロストスへの強硬的な対応方針は事実上霧散した。

宇宙進出時代

 ドロストスとシャロネールはお互いの宇宙領域を足がかりに外宇宙の探査を積極的に行う時代に入った。
 その間、3度の戦争があったが、惑星丸ごとを併合・割譲するほどの大きな領域の変動は起きなかった。
 そのうち1回はシャロネールがヒューヴル王国を発見したことで端を発するヒューヴル戦争であった。これはヒューヴルの領有を巡る両国間の対立が原因であった。結果はヒューヴルの獲得という事実上の勝利であったが、国内経済の疲弊の割にヒューヴルを保護国として一定の自治権を認めるというものだったため、国民には不満が募った。

 1561年、ヒューヴルを通じてエルミア共和国とファーストコンタクトを成功させる。ラヴェルト・ゲルデン外交ではベリオンとの友好を選んだ。

国家連盟時代

1623年 大宇宙国家連盟設立

 シャロネール王国は原加盟国として加盟。

1624年 リーエス入港権問題

 ドロストスがリーエス評議会領に通行権・入港権の要求を行う。リーエスは鎖国国家だったが、星図の関係でドロストスにとってリーエスはラヴェルト・ゲルデン方面の交通において避けては通れない要衝だったためである。リーエスは宇宙港の整備を行い、ドロストス宇宙船舶を入港させずに補給・停泊を可能にしたことで鎖国を維持した。
 シャロネールはドロストスのこの一連の動きを「国際秩序に対する深刻な挑戦」であると非難し、リーエスの鎖国維持を擁護した。これを期に小康状態にあったドロストス関係は悪化し、その代わりにリーエスとの関係構築のきっかけを生み出した。

1625~40年 建艦競争 

 ドロストスとの建艦競争が始まる。
 1623年頃にはドロストスとの関係は改善の方向に向かっていたが、建艦競争がエスカレートしていくにつれて軍事的プレッシャーを背景に軋轢が増大し関係が悪化。

ヒューヴル危機

レーウス諸国との関係構築

政治

 シャロネールの政治体制は君主制である。国教クラエン教の教会は政治権力を制限されているため、完全な政教分離ではないもののある一定の線引きがされている。

女王

 シャロネール女王をエンドニムで「クロン(シャロン語:Klнs)」といい、シャロネール王国の君主である。王が即位した場合でも「クロン」と呼称するが、伝統的に女性君主が多い。これはクラエン教による影響が大きい。
 国家連盟時代以降はツァイヴァ3世が長期間君臨し続けていたが、度々生前退位によって王座を交代している。

政府

 シャロネールでは主にクロアール宮廷が政府機能を司っている。宮廷では上奏された国家意思に対して女王が最終決定を行う場であり、政治の中枢である。
 また、もう一つの政府として国務卿会議がある。国務卿会議は女王直属の最高政策決定機関であり、国務卿は女王に上奏する内容の選別と修正を行い、各機関から挙げられた議題を取りまとめる。急を要する事項・重大事案に関しては上奏前に御前会議が開かれる。

機関

 省と院は同程度の権限を持つが、省は改革によって組織されたため比較的新しい。

宮廷省

 女王の日常・儀礼・謁見を管理する。形式上政府機関ではないが、女王への接触を管理するため非常に政治力が強い。また、王室関連の、例えば王室主催の儀式・式典の開催に携わる。王室財産の管理も行う。軍務省から供出される近衛部隊を保有している。大臣は宮内卿

シャロネール王国宮廷省宮廷諜報課”エルトアンヌの仮面舞踏会”

 女王直属の諜報機関。戦闘能力は低いが対人能力を活かした情報収集能力が高い。

国務省

 シャロネール政治全般、中央から地方までの行政を所掌しており、国務省職員は「官僚の中の官僚」と呼ばれる。
 各機関・各大臣との調整、女王への案件集約(国務卿会議)、地方行政と王国監査などの役割を担っている。また警察機関を持つ。
 大臣は国務卿。国務卿は女王以下第一位の国家権力者であり、「宰相」と同等の地位を持つ。また、国務卿会議の議長であることから「首席国務卿」とも呼ばれる。

王国監査局

 国務省の分局である王国監査局は各地方・惑星に派遣される王権執行の代理者王国監査官を管理する。シャロネール王国では地方貴族による地方自治を認めており、彼らによって行われる地域行政を王国監査官が査察し、各地の徴税状況、軍備、司法、反乱兆候の有無、王令履行の状況を確認し、中央(国務省)に報告する。局長は地方総監

外務院

 外交関連を所管する。条約の締結や大使の派遣などを行う。女王の外遊については宮廷省と協調する。大臣は外務卿

内務院

 内政関連を所管する。電力・通信・道路・海上/空中/宇宙航路などのインフラの整備や戦略資源の採掘と確保、教育と社会福祉、産業と労働者の保護など、インフラ以外の内政に関する業務を幅広く行う。地味だが金のかかる仕事が多いのでしばしば予算が大きく膨らみ、他の大臣に白い目で見られている。大臣は内務卿

財務院

 税制、国家予算、国債発行、商業政策を所管する。国務省が内政全体の執行権を握っているために相対的に立場が弱く、しばしば予算修正を迫られている。大臣は財務卿

法務省

 法律の制定・改正・廃止、裁判全般、王令に関する業務を所掌する。大臣は大法官。他の機関の大臣は「~卿」という呼称だが、法務省だけは例外で慣例上大法官という役職名で呼ばれる。大法官は最高裁判所長官でもある。

法制局

 法務省の分局で王令・公文書・国璽管理を行う。局長は法制局長官

軍務省

 女王の所有物であるシャロネール王国軍の組織・整備・運用を行う。また反乱鎮圧のための治安部隊は、王令または国務省または法務省の要請を受けて出動する。治安部隊は災害時の人命救助も担当している。近衛部隊は軍務省内で選抜して宮廷省付とする。大臣は軍務卿

植民地省

 ヒューヴル王国の統治補助・行政支援、自然環境・伝統の保護、観光産業の推進を行う。国内でも環境・伝統保護と観光産業の振興を行っており、それなりの影響力がある。植民地省という名前だが国内も担当しているしヒューヴルにはそもそも植民していない。官民双方から「紛らわしい!」という指摘が出ているが改名はしていない。大臣は植民地卿

文化

国教

 シャロネールの国教はクラエン教に定められている。クラエン教は惑星ルジャニオン発祥の多神教で、シャロネールで主流の古典派ドロストスで主流の契約派という二つの宗派が存在する。
 レーウス(シンテーア)の啓教(ケネズロイヴ)との類似点があり、ルジャニオン文明レーウス起源説論者の論拠とされているが、クラエン教神話の定説はない。保護国のヒューヴル王国シャーンダートラール信仰とは相互に影響を与え合っている。
 ドロストスの分離独立は新興宗派の契約派との宗教対立という背景もあったことから、ドロストス革命は単なる政治対立ではなかったことが分かる。

国民性

 貴族階級と平民階級で二分されており、それがシャロネールの特色であるとも言える。とはいえ、どちらの階級でも「汚点より美点を重視する」という共通点がある。しばしばスキャンダルが取り沙汰されることがあるが、それ自体で有力者が失脚することは珍しく、それが原因で民衆が暴動を起こすことは稀である。そういった意味では、意外と成果主義・実力主義的な社会と言えよう。

 貴族階級は見栄を重視し、服飾や美容を重視するが、勿論内面的な要素――美徳や信念――も重要な要素として捉える。家系や血筋が評価に影響することはあるが、その社会階級内で許容されるある一定の品格の範囲内では自由がある。ステロタイプでは貴族が平民を虐げる一方でファッションや美容にうつつを抜かすといった描写が多いが、現実のシャロネールの貴族のほとんどは地方領主として平民の歓心を買いつつ生産量向上のために彼らをあの手この手で働かせつつ、中央政府からの政策や王令に従い、同じ爵位の貴族との人脈構築に勤しむ。余暇には後進育成や学界への貢献のため執筆活動や慈善事業などの社会活動を行う者もいる。平民を働かせ過ぎると反感を買ってサボタージュされ、酷い場合には反乱の憂き目に遭う。働かせなさ過ぎても働かせ過ぎても中央政府から派遣される王国監査官に目をつけられ、最悪の場合、爵位の降格や剥奪という処罰を受ける。また、容姿は社交界での繋がりで重要な要素であり領地のピンチでは人脈の有無が明暗を分けるため、日頃からファッションや美容に時間を割くのは貴族の仕事の一つと言っても過言ではないかもしれない。「香水をつけまくっている」というステロタイプがあるが、一流貴族は品位が高いので適量であると言われている。
 平民階級は政治的に無関心で怠け者である。金銭や食料には目ざとい。

 なぜかよく火炎放射器を使う。この点だけは、ベリオンと共通している。

食文化

 シャロネール料理は大宇宙の中でも有名なものであり、豪華で美味だが、より多くのメニューの味を楽しむため一皿の量が少ない。また、量の割に全く見合わず非常に高額であると言われている。料理は美しく盛り付け・飾り付けされており、料理人は料理の腕だけでなく美的センスも求められる。

 シャロネール料理の代表的なものには、シャロンレタスという野菜を使ったシャロネール風サラダ「クランティエ」というものがある。クランティエは半分凍った生野菜を使った宮廷料理で、溶けきってしまうと食感が悪くなり美味しくなくなるため、金属の皿を用いて保冷しながら食べるのが望ましい。クランティエを食べる際には真冬の凍てつく寒さの夜に汗が出るほど部屋を暖め、その中で食べるものであると位置づけられている。

音楽

 シャロネール音楽は室内舞踏向けの宮廷音楽から、階級問わず楽しむダンス音楽まで様々なものがある。音楽はダンスと結びついているものと、座って静かに聴くものの二つに大別される。同じ文化圏から独立したドロストス音楽は”音楽の脱形式化”を経て派生した。

建築

 シャロネールは大小さまざまな装飾や複雑な形状の柱やアーチを多用する、実用性よりも美観に重視した建築様式が育まれてきた。機能面では建物それ自体の機能性よりも「その建物を誰が使うか」という点を重視している。

服飾

 シャロネールのファッションは伝統と先進性を兼ね備えたもので、多種多様の潮流を受け入れつつも、貴族はドレスやスーツなどの一定の規格は守られている。花やリボン、宝石などの様々な装飾品やモチーフを取り入れており、また配色や細部の形状、衣服の素材などあらゆるもののニーズが細分化されており、またTPOに応じた服飾の選択もシャロネール社会では重要なマナーの一つとなっている。

スポーツ

 貴族の余暇や遊びから発展したものが多く、乗馬などの格式の高い優雅なスポーツが人気。元々狩猟は平民の生業のため、スポーツとして行われていないが、代わりに室内球技が盛んな国である。

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